正社員となる能力がない人が、派遣社員になるという価値観の時代がありました。派遣社員は、正社員ほどのスキルも人材価値もない人がなるものであり、正社員のほうが常によくできる人であるという印象もありました。

けれども、近年の人手不足の影響もあって、どの企業も派遣社員に頼ることが多くなっています。心身共にストレスの多い正社員としての暮らしより、自由にできる時間を最大限に活用できる派遣社員としての生活を希望する人も、少なくなくなっています。

一時期は派遣切りという社会問題にもなった時もありましたが、今では派遣社員という位置づけは、とても人気になっています。能力が高く、限られた時間の中でも十分に仕事ができて、会社にも欠かせない戦力となっているような派遣社員も多いようです。

派遣社員を多く採用して、正社員に割り当てる仕事を分散してやってもらうことは、会社の立場からしても歓迎すべきことになっています。繁忙期だけ派遣社員を大勢雇うなどして、正社員を継続的に雇用するよりも効果の高い人材の使い方をする企業もあります。

女性は、ワーク・ライフ・バランスの問題もあって、派遣社員を望む人が多いようです。出産と育児にもエネルギーを注ぎたいという女性の場合、派遣社員が一番働きやすいことがあります。決められた時間で仕事をしっかりとこなすというのは、このような忙しい女性にはふさわしく、仕事能力を発揮する最良の手段です。

今後とも、派遣社員として仕事をするという人は多くなっていき、企業も派遣社員を活用する形で社内制度改革を進めていくことでしょう。