これから就職活動を開始するという人にとって、就職の赤本は必須の存在です。

ですが、就職の赤本の内容を全てそっくり真似ていては、弊害が生じる可能性もあります。就職の赤本に書かれていることだけを、全て遂行すれば採用されるということはありません。

就職活動は、唯一の回答を記入する学校の試験とは違います。面接ひとつとっても、企業の方針や現在の社会情勢、担当社員のものの考え方などで全く違ってくるのです。就職の赤本に載っている前向きな模範解答についても、企業によっては受け取り方が異なり、プラスにもマイナスにもなり得るのです。

就職の赤本にある、面接で効果的とされる回答を実践した場合、その答えが会社の求めるところと合致することはあります。しかし別の企業では、あまりにも出来すぎた回答に応募者のオリジナリティーや個性が感じられずに不採用になる可能性もあります。

就職の赤本に載っていることすべでが、実際の試験で通用するとは限らないことも頭の片隅に置いておき、固定観念にとらわれすぎないように柔軟な姿勢で望むことも重要です。

人材あっせん会社の社員の協力を得ながら採用募集を行っているという大企業も多くあるようです。会社によっては、就職の赤本を作っていた人材紹介会社の社員を面接官としている場合もあり、そんな人はプロの目で応募者を見ています。

就職の赤本に頼り切って面接をくぐり抜けようとしている人は、赤本を作ったその道のプロフェッショナルに気づかれてしまうでしょう。就職の赤本をなぞった答え方をしていては、自分の考えを持たない、主体性のない人物だと思われるかもしれません。

自分という存在を相手企業にアピールするには、就職の赤本の内容を模倣するのではなく、考え方の1つとして理解した上で自分なりの視点と態度で就職試験対策を立てることが求められます。

あくまで主体は自分として就職活動に取り組む上で、ものの考え方の指針や参考として就職の赤本を使うという用い方が適切なのではないでしょうか。